お姫様だっこ
俊ともう一人…
女の人。
その子が誰かスグわかった。
「菜帆、もしかしてアレ……」
菜帆が頷いた。
やっぱり
雪奈だ。
あたしは2人の所に行こうと歩き出そうとした。
「待って」
菜帆に腕を掴まれて前に進めなかった。
「なんで!?あたしがビシッと言ってくるから!俊には菜帆しかいないって!!そんで、あの女ぶん殴ってくるから!」
興奮してるあたしを菜帆は真っ直ぐ見た。
「そんな事しなくていい。それは美優の役目じゃないよ?」
てっきり菜帆は泣いてると思ってたのに…
涙ひとつ出てなかった。