お姫様だっこ
研と俊のクラスはカレーとかうどんとかたこ焼きとか…好きな物をグループごとに作っていくみたい。
研と俊はカレーにしたって。
理由は《カレーがタダで食えるから》。
単純だよね。
聞いた時、思わず吹き出しちゃったもん。
今日も朝のホームルームは文化祭の準備。
担任のタマちゃんが特別に時間をくれた。
飾り付けとか看板作りで準備する事がたくさんあるから。
タマちゃんは本当にミンナの気持ちを一番考えてくれる。素敵な先生。
三年間、タマちゃんが担任がいいってあたしは密かに願ってる。
本番は二日後に迫ってた。
準備が忙しく研と一緒に居られる時間が減るのは寂しかった。
研は準備は余り無いから学校が終わるとスグ帰れる。
待つって言ってくれたけど遅くなるからって断ったんだ。
悪いもんね。
「美優ー。コレこんな感じでドォ?」
看板を作りながら話しかけてくるのは
智也。
クラスで一番うるさい奴。
でもカッコイイんだよね。
菜帆と仲良しの鉄の相棒。
グループを作ったりする時はこの4人でよく組む。
そして今回の作業グループ分けもこの4人。
「いいじゃん。可愛い♪智也センスいいね!」
「まぁねぇ♪」
智也はピースしながら自慢気。
「あれ?鉄と菜帆は?」
2人が居ない事に気付いて智也に聞いた。
「ん?買い出し行った」
「えー?あたしが目ぇ離してるすきに…」
あたしが道具を取りに行って居ない間に2人で買い出しに行ってしまったみたい。