お姫様だっこ
研は最後まで何も話さないまま。
2人の息が混じり合う。
もしかしてこれが…
「お仕置き?」
あたしが呟くと研が睨みつけてきた。
あたしの顔はひきつってしまった。
ビクビクして目を瞑ると
ふわっと暖かいものに体が包まれた。
目の前にあるのは研の胸板。
細いのに鍛えられた、あたしの大好きな研の体。
ドキドキ……
あたしの心臓と同じくらいに研のドキドキも聞こえてくる。
「研の胸すごいドキドキいってるよ?」
怒ってるかと思った研は優しい声で話し始めた。
「そりゃぁ俺だってドキドキするよ?学校でこんな事するのは」
そんなんだ。平気かと思ってた。違ったんだね‥
「じゃぁ何でこんな事したの?」
はぁっ…って溜め息が聞こえた後、研が言った。
「嫉妬だよ」
「えー!?嫉妬!?」
なんに?
あたしは驚いて口が開いたままになる。
「いや、驚きすぎだし」
いや、驚くよ。