お姫様だっこ
暑い日射しが照りつける日々がやってきた。
7月。
今日から夏服に衣替えをしたあたしと菜帆は2人で廊下を歩いていた。
すると
後ろから声がした。
「あのぉー…」
振り向くと
驚いた。
目の前に立ってる女の子。
スリッパの色を見て1年生という事が分かった。
「超可愛いー!!!」
菜帆が叫ぶのも無理ない。
その子は、あたしより少し背が低い。
顔が凄く小さくて肌は白く頬がほんのりピンク色。薄く化粧がしてある。
栗色の髪はストレートでセミロング。
そして一番印象的な瞳。
睫毛が長くて、強い大きな瞳があたしをジッと見つめる。
一瞬
吸い込まれるかと思った。
「美優さん…ですよね?」
赤い唇からは可愛らしい声が飛び出した。