お姫様だっこ
研にもそんな人達が寄ってくるの?でもあたしにはそんな熱狂的ファンなんかいないよね?…
しかしそんな希望は次の菜帆の言葉で薄れていった…
「研大変だよぉ。菜帆より美優のファンの方が熱狂的で大人数だからねぇ」
「えっそぉなの?あたしの方が多いの?……まじ嫌なんだけど。研、大丈夫なの?」
不安いっぱいの顔して見つめるあたしを研は余裕の表情で見ていた。
「お前かなりモテるのに自覚なかったわけ?結構告られてっだろ?」
確かにココ何ヶ月かでたくさん告白された。軽く20人はいってるかも…
あたしは力が抜けて溜め息をついて俯いた。
「なんでお前悩むの?俺大丈夫よ?負けねぇっつぅの!言っとくけど俊より俺のが強いよー」
「悔しいけどその通りだな。研のが物凄い強い!」
確かに研が強いのはわかるけど…
「なっ、安心だろ?男なら喧嘩の1つや2つ、3つ4つ…とまぁスルさ」
「そんなしないよぉ。研が怪我するの見たくないよぉ。あたしのせいでなんてヤダ!」
「大丈夫だって!!安心しとけ。わかったか!?」
研の手があたしの頭をポンってした。
「…………………………わかった。」
「よし。じゃ食べ終わったし出るか」
あたし達はパスタ屋を出た。
あたしは不安でいっぱいだった。