素直になりたい。


昼休み―――



「はぁ……」


机に伏せて、大きなため息をついたあたしに、悠李が近付いて来た。


「何、ため息なんかついてんの? 幸せ逃げちゃうよ」


「だってもう少しで期末テストだよ! 考えただけで憂鬱だよ…」


「いいじゃん! テスト終わったら夏休みだし、いっぱい遊べるじゃん!
そうだっ! 勉強、速都くんにでも教えてもらえば?」


ニヤニヤしながら悠李があたしに提案してきた。


…そう、速都は頭もいいのだ。

前回のテストでも320人中20位には入っていた。


それに比べてあたしは……
まあ、あえてノーコメントで。

< 5 / 32 >

この作品をシェア

pagetop