私はペットです。雌犬です。

「あの、私に出来ることなら何でもしますよ?」


クリクリの黒い瞳を俺に向けて言うクロ

何でも…ねぇ…

その言葉がどれ程危険な言葉なのか、分かってるのか?

特に…男相手に言っていい言葉では無いね


「…何でも?」

「はい!何でも!」


分かってないクロは、真っ直ぐな目で俺に言う

少しは、男という生き物が危険だってことを教えないと駄目みたいだね


「じゃ、目を閉じて?」

「ん?はい」


クロは素直だけど…馬鹿だ

男を目の前に、目を素直に閉じる馬鹿はいない


あ、まさか俺…
異性として意識されてない?


そう思い立った瞬間、何だか分からない苛立ちが沸き上がる

なんか、ムカつく…

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