俺はその時、どう行動するか。
俺は微笑みながらページをめくる。




あ、麻生さんの写真もあるじゃん。





いつの間に撮ってたのか…

フロントで綾音と麻生さんのツーショット写真が出てきた。




麻生さんと言えば相変わらずどこか胡散臭い笑顔で、フロントで働いていた。


思えば、俺と綾音の距離が近付く時、麻生さんもいつも側にいた。



まぁ白熊従業員だから当然っちゃ当然だけど。



予約していた部屋がなくなった時も、秘湯で混浴した時も…


そして俺を小樽へ導いてくれたのも、麻生さんだった。






まさか麻生さんは俺たちの恋のキューピッドなのか?






「………ぷ」


麻生さんのシワだらけの顔を思い出し、俺は吹き出す。





だけど人生って何があるか分かんないよな…。



本当に大変で災難続きだったあの1日が、今では俺の宝物になっている。




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