俺はその時、どう行動するか。
バサッ…


狭い洗面所で服を脱ぐと俺はバスルームへ入る。


磨りガラスの扉を開けると、さっきまで綾音が使っていたバスルームは湯気がこもっていた。





―――…当たり前だが、やはりさっきまで綾音が使っていたお風呂場は


悠人の頭を切り替えるどころかまた更に深い妄想モードに突入させるだけであった。




「…………」




――…情けないぞ相良悠人!



「うるせー!」


俺は心の中の声に突っ込んだ。






風呂から出ると、ロッジはシ―ンとして誰もいなかった。


予告通り綾音は出勤したらしい。



「…………ふぅ」


Tシャツに短パンの俺は濡れた髪をタオルで拭きながら冷蔵庫を開けた。



お…コーラがあるじゃないか。


札を見ると、当たり前だが有料だった。




600円……だと…?


一缶600円はぼったくりだろ…!


と思ったが、俺は喉の乾きには逆らえずプシュッとプルタブを開けた。



きっと白熊の従業員はそんな俺の行動すら見通して

600円という高値で勝負してきたんだろう。



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