SWeeT†YeN


柏原は、乱れた髪をかきあげると短いため息を吐き出した。


うう、無駄にセクシー。



それから、その女と荷物を、まるでゴミでも投げ捨てるかのように玄関から放り投げた。


「お前を、愛した覚えはない。暇つぶしと憂さ晴らしだ。抱くだけの女は、掃いて捨てる程いる。だけど、彼女は特別だ。俺に相手してもらっただけ感謝して帰れ」


それだけ言うと、冷たい風を遮断するように玄関扉を閉めた。


うわ、酷……



「手狭な所ですが、どうぞ。話の途中でございました」

「……そ、そうね。お邪魔するわ」


はじめてだ。
柏原の領域に一歩踏み出すのは……


ここが、柏原の部屋。





< 197 / 554 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop