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柏原は、乱れた髪をかきあげると短いため息を吐き出した。
うう、無駄にセクシー。
それから、その女と荷物を、まるでゴミでも投げ捨てるかのように玄関から放り投げた。
「お前を、愛した覚えはない。暇つぶしと憂さ晴らしだ。抱くだけの女は、掃いて捨てる程いる。だけど、彼女は特別だ。俺に相手してもらっただけ感謝して帰れ」
それだけ言うと、冷たい風を遮断するように玄関扉を閉めた。
うわ、酷……
「手狭な所ですが、どうぞ。話の途中でございました」
「……そ、そうね。お邪魔するわ」
はじめてだ。
柏原の領域に一歩踏み出すのは……
ここが、柏原の部屋。