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ストーカーお嬢様



「────柏原、夢みたいに蜃気楼の中でフワフワしている気分」


 ナツと理想的なデートが終了。

 車内にはまた私と柏原が二人きり


 自宅まで送ったナツから『こんな服装して家にかえれるかっ!』 と投げ返された、温もりが残るジャケットを抱き締める。



「幸せ~夢気分~」

「さようでございますか? ……お嬢様。あと五分で自宅に到着いたします」



「『ございますか?』 って 、なんで疑問系なのよ柏原。ずっと見守ってくれてたでしょ? ナツと私の素敵な夜を!」



「いえ、途中見ていられなかったと言いますか……何故セルマン先生が若い男が好きな話などお嬢様がしてしまったのか、私は見ていられませんでしたし聞くに耐え難い話題でございました」


「あら? 『世界の巨匠から見たらナツみたいなイケメンは最高の好物よ』って良く出来た誉め言葉でしょ?」


 私も中々気転が利いたと思う。知的さをアピールして、セルマン先生は未だに柏原をお尻を撫でた事がないと悔しがっている話も加えた。ユーモアのセンスも抜群よね?


 本当に賢く生まれて良かった。


 あの時のナツの顔は私の言葉に、とても驚いていた。


 私の知性に驚いたのよね?


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