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信じてお嬢様


「────茉莉果ぁ!」


お父様の力強い抱擁は、柏原のものとは全然違う。
柏原に抱き締められた時は、もっとフワフワした気分になるもの。



「お父様」

「茉莉果、心配したのよー! まさか、この屋敷に泥棒が入るなんて!」


「お母様……」


心配そうな両親の顔は、少し疲れていた。
きっとオーストリアでの公演が終わり、慌てて帰国してくれたのだろう。

私が柏原の運転する車で、屋敷のロータリーをぐるりと回ると、メインエントランスの大扉が開き両親が飛び出してきてくれた。


屋敷の門と、エントランスにはまだ謎の武装集団の残党が残っている。



「お嬢様、お怪我がなくて何よりです。大切な紫音家のご令嬢ですから」

陽子さんは、そう言うと車を車庫に戻してきた柏原に詰め寄る。





「柏原さん、あなたの責任問題について話し合いましょうか?」






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