一番星の愛情物語
いろはさまのお祖父様は、頷きました。


「そうですね。九月辺りのいい日取りを。早々に準備致します。ご両親とも顔合わせの会食を一度」


「分かりました。両親に伝えておきます。わざわざお時間をありがとうございます」


いろはさまのお祖父様は、苦笑しました。


「お礼を言うのはこちらの方です。花園家が頭を下げてきましてね。さきはは意見を変えません。順調に離婚が進むでしょう。嗣実さんのおかげです」


嗣実さまは口元を緩めました。


「いろはさんのお身内は、私の身内と考えています。全力でちからになりますから。何なりとおっしゃって下さい」


そう話をしていると、ドアが開いた。


使用人が立っていた。


「お食事の用意ができました」


いろはさまのお祖父様は立ち上がりました。
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