解ける螺旋
だから私は、震える声を必死に出した。


「それが、愁夜さんの願い?」


返って来る返事が怖かった。


あっさりそうだと言われたら。
私を殺してこの世界を終わらせて、また他の世界を創り上げると言われたら。


「……どうしたら、止めてくれるんですか」


ただ必死に言い募った。
全部真美さんの為なんだとわかっていても、そこに愁夜さんの想いがあるのかわからない。
私の言葉に、愁夜さんは眉をひそめた。


「こうしてたくさんの世界を創り上げても、あなた自身は何も幸せを得ないじゃないですか」


黙っている愁夜さんに、つい責めるような口調になった。
それでも愁夜さんは何も言わない。
それが私を苛立たせた。


――なんで?
いくら大事な妹の為だからって、どうしてそこまで自分を犠牲に出来るの?


そう思いながら、切なくなる。
せめて真美さんの半分でもいいから、私が愁夜さんに大事にされていたなら。
どんなに強く願っても、この人は私を好きにならない。
私を一番大事には思ってくれない。


何も言ってくれない愁夜さんに、涙が溢れた。
必死に声を殺して、だけど我慢すればするほど、涙は止まらなくなる。


「……止めないよ」


冷たい声が耳に届いた。
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