解ける螺旋
家が近い上に、家族ぐるみの付き合い。
そして同じ大学で一緒に研究をしてるせいで、私の普段の行動は疑われても仕方がない位いつも健太郎と一緒。


だから私が危険な目に遭うのは、いつも必然的に健太郎と一緒に居る時。
そして流れで、健太郎が守ってくれる。


こんな事がいつから続く様になったかわからない。
だけどよく考えたら、その始まりは研究室で実験中に起きたボヤが最初だったか。


とにかくこんな事が多過ぎて、時系列すら掴めなくなる。
ただ確かなのは、危険な時にいつも健太郎が助けてくれたという事。


それは疑う余地もなく、私の中では自然過ぎる位自然な記憶。
私は確かにそう思っていたけれど。
昨日の帰り道の事故で、私の記憶と健太郎の記憶に大きな錯誤がある事を知った。
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