Rainy days never stay~心の傷痕~
「はい、千葉です。」

「もしもし、長谷川です。お疲れ様。」

「お疲れ様です。仕事終わりましたか?」

「ああ、今タクシーの中。仕事先の人と食事して、ホテルに向かってるところ。」

「・・・そうですか、遅くまで大変ですね。」

本当に忙しい人だ。
もう11時半だよ。

純粋に体のことを心配してしまう。




「もうメール来ないと思ってた。」

・・・相変わらず直球。



「・・・会社で気まずいの嫌ですから。営業部に行き辛くなりますし。」

「小牧に感謝しないといけないかな。」

私が考えていることなんて、長谷川さんにはお見通し。


「あの、…勘違いしてたらすみません。でも、こういうの私苦手なので先に言っておきます。
もし私に好意を持って頂いているなら、・・・ごめんなさい、私お答えできません。」

ハハッ、長谷川さんが電話の向うで笑ってる。
やっぱり私の勘違いだったのかな??

どうしよう、すごく恥ずかしい。
彼には見えないけど、私の顔は真っ赤。


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