Rainy days never stay~心の傷痕~
「これまで付き合った奴になんて呼ばれてた?」

「・・・え?」

突然の質問に、思わず彼の方を振り返る。

そしたら、当たり前だけど彼の顔がとても近くにあって、心臓のドキドキが増した。

「・・・桜かな。友達も桜子より呼びやすいみたいで、桜って呼ぶ人が多いです。」

進もそう呼んでたな。


「じゃあ、桜子って呼ぶ。他の奴と一緒は嫌だ。」

「・・・長谷川さん、可愛い。」

私は手を伸ばして、彼が私にやってくれるみたいに彼の髪をクシャッとしてみた。

私の頬に彼の唇が触れ、次いで耳を甘噛みされる。

「・・・やめてくださいっ、・・・くすぐったい。」

触れられた場所が熱を帯びる。
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