祝福された堕天使達
昔気質なその銭湯はやはり昔のままの形を残していた。

隣り合う家々に少し肩身を狭めながらひっそりとあるその姿はよもや時代を終えつつある自分自身をゆっくり見据えているかのようなそんな儚さがあった。

数年前までは俺達もよくここを使っていた。

理由は単純、その頃はガス料金を払う余裕が無かったからだ。

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