シンデレラlogic
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

あ…あ…



俺は声が出なかった。



莉嘉が
リビングで倒れてて…


幸い息はしてたから
命には関わらないだろうとは思ったけど…






心配で心配で
俺までパニック状態
になってしまっていた。








「担当医からです」



俺はこの声でやっと
我に返った。



「はい…」


「君は、住吉莉嘉さんのお兄さんですね?」


「はい…腹違いの…」


「今回のことだが、命に別状は無いし、これからすぐ良くなって、まもなく退院出来るでしょう」


「本当ですかっ?」

嬉しさのあまり
声が高なった。



「しかし1つ、彼女は記憶を失ってるんですよね?」

「はい…本人は無自覚ですが」


何だ…?


「今回はその、何か記憶を思い出すキーワードか何かを聞いたのでしょう。その時に起こるショックにより、過呼吸になった、そして意識を失った。なので、目を覚ました時には全てを思い出しているかもしれません。」



「わ…わかりました」



それからも何かいろいろ言ってたが、

俺は思い出しているかもしれないと

言われたことに
気を取られ、
何も耳に入って来なかった。




莉嘉の所へ行っても
目を覚ませ、とは
口では言っているけど


実は覚まさないでほしいってのも少しはあったかもしれない…



いや、思ってただろう



何せ、記憶が戻れば
空大(たかひろ)の所へ
一目散に行ってしまうだろうから。





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