未来に向かって僕たちは【短編】
瀬尾は今回も赤点だらけで、補修と追試で冬休みがないと嘆いている。

自業自得だ。


俺はクリスマスだと浮かれまくってた瀬尾に、こっそりと舌を出した。

ざまーみろ。

……俺って心狭いな。


でも今回は色々と世話になったから、追試の勉強くらいは見てやろうかなと思ってる。

先生にも頼まれてるし、もしも進級できなくなったりしたらコトだ。


で、肝心の藤原はというと、定位置の一位に返り咲いた。

くやしいけど俺は、これから先も藤原に勝てるような気がしない。

そんな自分のヘタレっぷりに情けない気持ちになるけど、今回の藤原の一位復帰は素直に嬉しかった。


結局、俺はまだ藤原と話せていないし、進路のことだってどうするのか聞けていない。

だけど、藤原が今できることを全力で頑張ってるってことは十分に伝わってきたから、今はそれでいい。
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