理不尽な女神さま


「新堂さん!」

「・・・おう、お疲れ」


あたしはライブを終え、待ってくれていた新堂さんのもとに駆け寄る。

小走りで走るあたしを待っていてくれる人は、もうミナトじゃない・・・。

そんな思いが脳裏によぎる。

そのせいでか、あたしの足はスピードを落とす。


「・・・おい、大丈夫か?」

「・・・えっ、あ・・・はい」


あたしは気付かぬうちに俯いていたみたいだ。


「よし、帰るぞ」

「あっ、はい!」


外は寒かった。

なにより風が冷たくて、ヒューヒュー音を立てていた。

それが聞こえるほどにあたしたちは沈黙した。


「・・・なんか、不思議だな」

「え?」

「俺たち、出逢って2日で一緒に行動してんだぞ?お前は、何も思わないのか?」

「・・・」


何も思わないのか。

・・・いや、思わない訳じゃない。

でも、不思議・・・そういえばそうだ、という感じ。


「確かに・・・言われてみれば。」


まだあかの他人・・・と言われる関係だろう。


「・・・良かったぞ、今日。」

「何がです?」

「お前のこと、また一つ分かれた気がする」

「え?」

「・・・いや、何でもない」


分かれた気がする。

分かろうとしてくれてる?

あたしは少しの疑問と何とも言えない気持ちを感じた。



< 16 / 16 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

今日も雨が降りました。

総文字数/1,667

恋愛(純愛)3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
私が彼を好きになった日 私が彼と付き合った日 私と彼との初デートの日 私と彼が喧嘩をした日 私と彼の未来――― 私が恋をして 私が彼と生きた日々は いつも雨でした。
水色ミステリアス。

総文字数/4,824

ミステリー・サスペンス7ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
――俺は、冷たい。 西島 美希斗(ニシジマミキト)はクールな高校1年生。
キャンバス。

総文字数/1,315

恋愛(学園)2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
甘い恋 苦い恋 たまには、キュンとしたり たまには、ホロリと涙をこぼしたり 「愛さなければ良かった」なんて思うこともあれば 「ちゃんと愛せば良かった」なんて思うこともある

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop