偽恋愛上等ッ!!【短編】
今日もコウジの試合の応援に行く。
今日のは練習試合じゃなくて、ちゃんとした試合。
会場は行ったことのない所だったけど
地図を見ながら、何とかたどり着いた。


あたしは日陰を探して、
コウジの試合を見ていた。

ガンバレ、『7』番。

コウジはボールを追って走っている。



あたしは、その横にいる『11』番を
ちらりと見た。

くたばれ、チャラ男め!
あたしのカン違いのせいで仕返ししそこねたけど
あたしあんたのこと許してないからね!


‥‥まぁ、でもありがと。
あたしと里奈が『11』を見に行った日、
あんたがコウジに『11』のユニフォーム貸してたおかげで
あのカン違いが起きたんだ。

それがなかったら
あたしはコウジと出会えてなかったんだよね。


最低なヤツっていうのには変わりないけど、
あたしあんたに、ちょっと感謝してるよ。


‥‥あたしは、ふっと笑って
視線を『7』に戻した。



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