Alien執筆言い訳日記(ブログ的な何か)
5月16日 司法解剖で結核



 まだ定期的に僕止めの更新が出来ている、ヤればデキる駄作家のアライです。本日1ページ更新しました。このペースがいつまで続くのやら…神のみぞ知る的なアレですが。とほほ。

 そういえば20日くらい前、久々に司法解剖ネタがニュースに投下されたのですが、なんと「結核感染遺体」からのスタッフ集団感染です。解剖した東大の医師7人並びに渋谷署の警察官19人などが留置中に肺結核で死亡した男性遺体から結核感染したという話題。
 解剖中には遺体を切断する際の水とか飛沫が立会の警察官にも容赦なく飛んでくるらしいので、いつも解剖の立会は戦々恐々としてる、というような警察官のブログを読んだことがあるが、まさにその危惧が現実化してしまったという司法解剖に関わる人たちとしては戦慄の事件だったろう。是非とも裕に感染させてみたい。喜ぶだろうか…いや、まさに死神状態だから嫌がるだろうな(←2次創作)。

 その前後にも結核の集団感染がたびたび起こっているようで、東京のみならず、大阪や佐賀、茨城などにも集団感染が発生していて、こんなに短期間に結核集団感染がニュースになるとは珍しいなと。結核は太平洋戦争後は感染率も激減しましたが、高齢者を中心に現在でも毎年2万人の新しい罹患者、2000人の死亡者がいるそうです。

 ドイツのハイデルベルクで発掘された約9000年前の人骨の第4、第5胸椎に結核カリエスの痕が認められ、エジプト先王朝時代(紀元前6,500~5,100年)のアダマイ遺跡で発掘された女性に、脊椎カリエスが発見されているので「結核は人類と共に古くからあった」と言われます。

 とは言え、日本における結核の歴史は案外新しく、わが国では、およそ1800年前の鳥取県の青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡の人骨に発見された結核性変化が最も古い結核の痕跡なので、結核菌はその頃大陸からの渡来人によってもたらされたと考えられています。海外の病気だったのです。

 しかしその後はほぼ増えず、海外からの渡航者が増える江戸時代に感染がじわじわ拡大し、明治維新で開国して以来爆発的な流行を始めました。いわゆるパンデミックというやつです。おかげで我が国の優秀な文学者は早死。迷惑な話です。文豪ストレイドックスの国木田独歩くんや樋口一葉さん、梶井基次郎も皆若くして結核で亡くなってますが、明仁天皇(今の天皇陛下ね)も昭和28年に19歳の若さで結核を患い、ストレプトマイシンやヒドラジットのような当時の特効薬で一命を取り留めた、と結核予防の式典で発言していますので、あれだけ周囲を警戒されて大事にされている天上人すら感染するっていうのはなかなかのシロモノです。なにしろ空気感染しますからね。

 現在でも、20~30代の若者の結核罹患率が増加傾向にあるらしいです。生活習慣の悪化に伴う免疫力の低下、結核という病気を知らない、無知、結核菌が蔓延している繁華街などの出入りが多い、などの原因だそうです。

 結核の初期は、風邪に似た症状が出るので見過ごされがちですが、長引く咳や痰は要注意です。痰、微熱、寝汗、だるさなどが初期症状ですが、胸痛がみられる場合や、血痰が出たり喀血する場合もあります。特に、咳が2週間以上長引いたときは、医師の診察を受けるのもオツなもんです。皆さんもご注意を。
 





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