Alien執筆言い訳日記(ブログ的な何か)
10月10日 Field of Ardas



 アーダスの野原とはマリー・コレリの小説の中で語られる「バビロンの空中庭園」のそばに広がっている。古代において地球上の全ての人間の魂が誕生する場所、魂の故郷と言われている。時空を超越した草野。

 私の人生の最終点が垣間見えた、その幻視。





Field of Ardas

深い群青色の星空を見上げて
月見草に似た黄色い花が咲いている
誰もいない 私のほかは
悲願の涙を吐き出したあとは
終わりを告げていくものに言葉を譲る
それまでは終わりのその時まで語るのだろう

言葉を譲り渡したそのあとは
ゆっくりと星の運行に合わせて踊るのだろう
皮膚の下の全宇宙が右腕を
横から上へと振り上げる百億年の歳月
体側に垂らした左手を見下ろし
首をかしげる千億年の光陰
導きのかの御方に眼差しを重ね合わせ
小さい小さい星の夢を見た

懐かしい夢は形を変えて繰り返す
あなたと手を繋ぎたくて見た夢の匂いは
花咲くこの草野の匂いによく似ている







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