【BL】ラブ・新撰組【衆道】
 近藤の背後に、両手に竹刀を持った土方が片膝をついていた。左腕が伸ばされ、その竹刀の突っ先が近藤の体の一部とジョイントしている。
「ただいま戻りました・・・」
土方の顔は冷たく凍りつき、いかなる表情も見るものにうかがわせなかった。
「薬物の過剰投与により、私の心の機微は停止しています。今のうちに、なすべきをことを、なしたいと、思います」
崩れ落ちる近藤をまたいで、土方は沖田と斉藤の後ろに立った。
「沖田さん、土方さんに苦労をかけないためにも、今ここで二人でツインピークスを作りましょう」
呆然とする沖田の隣で斉藤がチャーミングなポーズをとり、直後に感情のない粛清に身体を貫かれて、空の裏側に意識を落としていった。
(土方さんって自分を追い込むタイプだからなー・・・)
沖田は肩に置かれた竹刀の重みを感じながらため息をつき、これから我が身を襲う冷たい衝撃の予想に頬を染めるのであった。



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