真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
嗜虐(しぎゃく)の饗宴①
あの手紙が心の元に届いてから、約一週間後。何事も無い、ごく平凡と言う名の幸せな日々に、突如としてピリオドが打たれる事となった。

その日は、後の心の状況を暗示するかの様な、どんよりと曇った空模様であった。



心が校門をくぐり、いつもの様に、校舎に入る前に、その途中にある飼育小屋によった。

そこには、心がいつも可愛がっている、ウサギの『マルミ』がいる。
生まれつき、右片方の耳が丸まっていた為、心がそう名付けた子ウサギである。

今日も、自宅から持参した、ビニール袋に入った野菜の破片をプレゼントする為、飼育小屋に近づいた。


しかし、いつもと様子が違う。そう、今日に限って、いつもいるはずのない、妙な人だかり。
飼育小屋を取り囲んでざわめく、心のクラスメート達。

「何かあったのかしら?」
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