真夜中・十二時的彼氏。~ミッドナイトナカレシ。~
嗜虐(しぎゃく)の饗宴③
…その次の日から、心は学校を休んでいた。そして丸三日がたっていた。

そして今、自宅のベッドで休む傍らには、あの圭子がいた。

あの事件があってからは毎日、心を気遣いに来てくれていた。

「早く元気だして、心。あの明るくて素敵な笑顔の心を取り戻してね。」

ところで、この圭子は本当に、気遣いのうまい子であった。
普通、あんな事件に巻き込まれて、精神的に参ってしまっている時に、誰かが見舞いに来たとしても、しばらく放っておいてと誰もが面会を断るだろう。

事実、ここ三日は、特に夜中は精神的に不安定になりがちなので、『真夜中の十二時』からのラブコールは一切出ていない。

しかし、この圭子のうまい所は、心が、不安と恐怖に怯えて毎日を自宅療養する中、丁度人恋しい時に、それもごく三分ほどだけ優しい言葉を投げかけてくれる所だ。

…いわゆる、『真夜中の十二時』の昼間バージョンと言う訳だ。
< 22 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop