CHAIN
「いいか、俺達みたいな
稼業の人間だけが悪人だと思うな。
この国の支配者だって、元は
マケドニアから攻めてきた侵略者だ。
戦いに勝ってまんまとこの国を
支配下に置いたってわけさ。
目に見えるか見えないかの違いだけだ。
分かったか?よし。」

ゼノが急に事務的な口調になった。
最終確認だ。

「明朝港で船に乗れ。
色々お土産があると思うが、
全部貰っていいぞ。
で、中国へ出発だ!」

「俺、中国に行きたくないんだけど。」
珍しく凛が反論した。

「安心しろ。勿論中国へは行かない。
乗組員は全員ゼノ一族だ。
二日程船上で生活してもらう事に
なるがな。では、幸運を祈るぞ。」

ゼノはそう言うと、
酒瓶を残して帰っていった。

私は凛と残った酒を飲みながら、
ゼノの話を整理した。

「目に見えるか見えないか、
その違いだけだ。」
ゼノはそう言った。

だとしたら、ゼノは
見えている側なのだろうか?
そう言えばゼノは、
今回の獲物であるペルシアの壺が、
そもそも盗品だと言っていた。
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