契約恋愛~思い出に溺れて~

そうよ。

優しくて、次に何をするのか予想もつかないような人だった。

先が見えない生活にも物怖じしないで、
いつも緩やかに物事を流す人だった。

私には無い柔軟な心を持っていて、あの人と居ると、まるで違う私になったみたいだった。


大好き。

大好きよ、ユウ。

あなたと一緒じゃないと、あの時の私にはもうなれない。


昔みたいに、こうして体を固くして、強がっているしか出来ないんだもの。


これから先も、ずっと。

あなたを忘れずにいたいのに。


どうして時間は流れて行ってしまうのだろう。

どうして、

人は変わってしまうのだろう。


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