契約恋愛~思い出に溺れて~

 その夜、紗優が寝付いた21時過ぎ。
私は英治くんに電話をかけた。


『もしもし?』


呼び出し音三コール。予想外に早くて驚いた。


「英治くん?」

『紗彩ちゃん。どうしたの? 夕食は外食だっけ。 楽しんできた?』

「うん」


疑問符だらけの反応が面白い。

でも、今日は、伝えたい事がある。
恥ずかしくってドキドキするから、一度大きく深呼吸をした。


「今、家にいるの?」

『俺? うん。もう帰ってきてるよ。そっちは?』

「家。紗優が寝たところ」

『はしゃいでたし、疲れたんじゃない』

「うん」

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