幸せ探そうぜっ!!



そいつに出会ったのは、高校も二年になった頃だった。


その日はもう何回目かわからないけど、朝の天気予報で傘がいらないと言っていたから持ってこなかった日。


まぁ、予想通り、雨が降ったわけで。



「あぁ……」


どうしようか……


電車通学のあたし。


学校から駅までは歩いて10分。


鈍臭いあたし専用時間に直せば、“歩いて15分。




――うん、悲しい




びちょびちょ決定。




こんなときに思う。


あたしって不幸だなって。


それにすら慣れてしまった。慣れたくなんてなかったけど。



「……はぁー、」


幸せが逃げるからと、昔友達に止められた、ため息。


あたしには逃げていく程の幸せがない。


ため息はき放題。




意を決して、飛び出そうとしたとき、隣から声がした。




「森下じゃん」




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