僕は生徒に恋をした
まるで山田に抱きしめられたようで、俺の心臓は異常に脈打つ。

「花火が終わるまで、このままここにいてもいい?」

また、二つ目の花火が上がる。

「…いいけど」

どうして?
俺の頭に疑問符が浮かぶ。

もし山田がジンクスを知っていたとして、俺と見たって何にもならないだろう?

そうか、山田はジンクスを知らないのかもしれない。

山田はただ、花火を見たいだけかもしれない。

また一つ、大きな花火が上がる。

「きれい」

山田がつぶやき、俺は頷いた。

やっぱり。
山田は単に花火を見たいだけだ。

「先生…」

「何?」

「この花火にジンクスがあるの、知ってる?」
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