僕は生徒に恋をした
第十二章 自失
昨夜、佐藤先生が家の前に立っていたのは覚えている。

そして俺は彼女を家に上げ、そして…。

その後はほとんど覚えていなかった。

キッチンで水を飲んだところで俺の記憶は途切れる。

しかし、彼女と何もなかったと言い切れる程、俺には記憶が残っていないのも事実だ。

彼女の香水の香りが今もなお感じられるような気がするのは、一晩中一緒にいた証拠なのだろうか。

何で、昨日だったのだろう。

あんなに酔っていなければ、俺は彼女をきっと家には上げなかった。

こんなことにはならなかったのに…。

だが、今さら嘆いても遅い。
どちらにしろ、佐藤先生に事実を確かめなければどうにもならない。


俺はコーヒーを飲み干すと、シャワーを浴びて高校へ向かった。
< 147 / 374 >

この作品をシェア

pagetop