僕は生徒に恋をした
友達は俺の高校の関係者じゃないし、社交的なやつだから会わせたところで問題はないだろう。

「行く」

山田のいつも通りの即答ぶりに、俺は電話口で笑いをこらえる。

「――――でも、本当にいいの?」

「いいよ。
俺も山田に会いたいから」

山田が気を遣って聞いてきたのが分かるから、俺は彼女の不安を取り除くように言う。

実際、休みの日の彼女に会えるのが楽しみだった。

******

日曜日、山田の家に迎えに行くと、彼女は笑顔で俺を待っていた。

山田の私服を見るのは初めてで、俺は思わず見とれてしまう。

彼女は丈の長い青いワンピースに、オフホワイトのカーディガンというシンプルな服装だった。

ざっくり束ねたポニーテールと白いスニーカーがアクセントになって、全体のふんわりした印象が彼女によく似合っていた。

服装にあまり興味のない俺でも、山田がきっとオシャレなのが分かる。
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