僕は生徒に恋をした
「佐々本、ちょっと顔貸して」
俺は手嶋先生と林原の顔を見比べる。

「何、急用?」

急用でないなら後にして欲しくて林原にそう言うと、彼はああ、とつぶやいて手にしていた携帯電話を投げて寄越した。

「誰のだ、これ」

俺は林原に説明を求めながら見慣れない携帯電話を開く。

そして息を飲んだ。

それは短いメールだった。

『昨日の夜、3-Bの山田雛が佐々ちゃん家に入ってくとこ見ちゃった』

丁寧なことに、俺が山田の肩を抱いて家に入る写真まで添付されていた。

頭から血が引いていくのを感じる。

呆然として何も言えない俺に、林原は言う。

「生徒たちが騒いでるから何かと思って没収したらこんなメール。
これ、本当にお前の家だよな」
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