僕は生徒に恋をした
最終章 卒業
その日はいい天気だった。

つい最近までのキンとする寒さではなく、春の訪れを感じるような穏やかな朝。

滅多に着ないスーツに手を通し、ネクタイを締めると、いつもより引き締まった気持ちになる。

いつもより少し早めに家を出ると、近所に咲く満開の梅はいい香りがした。

もう春はすぐそこまでやってきている。

学校に着くと、校門に立てた卒業式の看板の前で写真を撮る者たちで溢れていた。

「佐々ちゃん、おはよー」

「おう、卒業おめでとう」

俺は微笑んでその横を自転車で通り抜ける。

今日は俺の担任する生徒たちの卒業式だった。
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