僕は生徒に恋をした
いくら好きでも、この子は生徒なんだ。

非常事態だったとはいえ、家に押しかけて、暗闇の中で二人っきりだったなんて、世間的に見ればおかしい。

好きならなおさら、職権乱用と言われたって否定できない。

自分の行動が恥ずかしくて仕方ない。

この気持ちがバレてしまったなら、山田に軽蔑されたっておかしくない。

しかし、恐る恐る山田の顔を見ると、彼女はやっといつもの笑顔に戻っていて、

「先生、百面相」

俺を見てそう笑った。

その笑顔を見て、俺は冷静さを取り戻すことができた。

「もう大丈夫そうだな」

「うん」

「一応この状況を、山田の親と担任の林原に連絡しておくよ」

そう言って父親の連絡先を聞くと、山田は首を振る。
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