2 in 1

秘密

宇美には秘密があった。それは宇美に彼女ができない理由。宇美の心には“僕”と“あたし”がいた。自分で使い分けている意識はない。ただ、同性を見る時に“あたし”が出てきた。まず男を見ると、顔の次に下半身を見てしまうのだ。特に股間やお尻に注目した。女に性的な魅力を感じないのだ。はっきりしたきっかけは覚えていないが、自覚したのは幼稚園生の頃だった。テレビでヒーローものを見ている時だった。少年として、強くてカッコいいヒーローに対する憧れもあったが、いつのまにかヒーローの股間を意識するようになっていた。そしてヒーローが股間を攻撃されて苦しむ姿に興奮した。それ以来、何故か男の下半身にばかり目がいった。男の性器に強く惹かれた。オナニーを覚えたのもちょうどその頃だった。やられるヒーローを想像してイッた。当初は何も出なかった。何かが出てパンツが汚れることが怖かった。精液が出たのは随分早かった。親に叱られると思って、パンツを内緒で捨てたこともあった。無意識にペニスを触って感じてしまった。もちろん誰にも教わることなどしていなかった。自然に覚えてしまったのだ。
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