追憶〜逢いたい人へ〜
『おはよう…。』



笑顔で私を迎えてくれた。



『…おはよ。…なんで?』


思ってもみない出来事に、片言の言葉しか出ない…




そんな私を見て、孝雄は“プッ”っと吹き出した。



『犯人逮捕されたの…俺も聞いたから…かな…』





『…だから、私…孝雄を待ちたくて。早く待ち合わせの場所に行こうと思ったのに…。』


恥ずかしくて俯いてしまった。




『…なんとなく、そうかなって思って。お前一人、あの場所で待たせたくなかったからな…。事件の場所、一人で通りたくないだろ?』



確かに、待ち合わせの場所は事件のあった場所の先だ。



私は小さく頷いた。



『俺がいるから…』



…大丈夫……


私は心の中で呟いた…。




孝雄は照れ臭そうに、あの優しい顔で笑った。


私の大好きなあの笑顔で…









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