キスはおとなの現実の【完】
窮屈そうなヴァンのお尻と、じょうずに隠せずなかをわずかに透かせてしまう不器用なすりガラスの引き戸が見える。

その姿は、どこか滑稽でもあり、わたしのことでもあるようだった。

きっとしっかりしたおとなであるためには、人生のせまい通路で緊張しつつも身体をリラックスさせる必要があり、心には見透かされてもいいようにうそのヴェールを一枚かける必要があるのだろう。
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