キスはおとなの現実の【完】
カズトさんがもう一度くちびるを近づけ、わたしももう一度くちびるを近づける。

くちびるどうしがふれあうと同時に、その唾液を口のなかにとりこもうと、ふたり同時に吸いこんでしまう。

「ちゅっ」

ふたりのあいだでなんともこどもみたいな、まの抜けた音がする。

キスのさいちゅうだというのも忘れ、思わずふたり同時に笑ってしまう。
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