キスはおとなの現実の【完】
「はあ」

なんというか、ひじょうにもうしわけない。

みんなとわたしじゃ、もともとのりが違うのだ。

わたしのような異物が混ざり、相手につまらない思いをさせてしまっている。

あーあ。
自己嫌悪。

完全に場違いだよな、わたし。

ケータイ電話の時計を見ると、まだ八時まえ。

時間はまだ半分以上も残っている。

わたしは無理やり、顔に笑みを固定させた。
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