BE MY ANGEL
第四章

本当の理由

『それでトーリの様子はどうだ?』


「今回の件で極度の人間不信に陥ってしまったようです。未来の人間達は大人しく、人に危害を加える者はいなかったので尚更です」


タイリンは通信機器で博士と通話している。


動画だと容量が大きく、ロボット側のスパコンに気付かれる恐れがあるので音声のみだ。


『人間にも英王や恵、和久や敬子のようにいい者もいれば、そうでない者も多いからな~。トーリは免疫が無かったからな。仕方ない』


「それで明日のことですが、明日24時までに未来に帰還すればいいでしょうか?」


『ああ。もっと早くてもいいが、トーリも英王と離れ難いだろう。ギリギリまで待とう』


今日は12月23日。明日24日が未来へ戻る日だった。


『タイリン、お前は変わりないか?』


博士はタイリンに話題を振った。


「はい、不足はありません。全力を尽くすまでです」
< 193 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop