バニラ
結局あたしは、恭吾に勝てないままだ。

恭吾はあたしの全てを知ったうえで、手のひらのうえであたしを躍らせている。

それが悔しいんだか、恥ずかしいんだか…なんて思っていたら、恭吾があたしの目の前にいた。

「きゃっ!」

「さっき会話してた人にそれはないでしょ?」

「メールだったけど。

それで、南野さんは帰ったんだ」

「まあね、あいつもこれからデートみたいだからな」

「へえ…」

あたしは自分から恭吾に抱きついた。
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