そして天使は闇へ堕ちる


バカにしたように鼻で笑うと、ゼロはリュリュカの身体を軽々と抱き上げる


「お前本当に軽いな」


綺麗な眉を寄せ、不思議そうに赤面になっている妻の顔を覗き込む


だがリュリュカは今起きてることが全く理解できずに呆けていた


「なんだ、随分大人しいんだな」


「……あっ、は、離して!降ろして!」


ゼロは自分の腕の中で暴れるリュリュカに不満を持ったのか、先ほどまで寝ていたベッドに落とした


「いたっ…」


無造作にベッドに落とされ、すぐに起き上がろうとするが、そのままゼロが覆い被さってきたために起きあがることができない


「なぜ俺をそこまで嫌う?何がいけない?」


「何故って…私は天使であなたは魔王なんだよ?あなたは信用できないの。警戒しなきゃいけない人なんだから」


「ならお前が堕天すればいい。もうここに来て3日はたっているんじゃないか?」


そう…


普通の天使は3日もすれば羽根は黒く染まり、堕天使になってしまう


リュリュカは悪魔界に来て3日はたつ


堕天してもおかしくはないのだが、リュリュカには黒く染まっている羽根をみる勇気がなかった




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