そして天使は闇へ堕ちる


「な、何もしないって言ったじゃない!」


リュリュカの瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちる


「うるさい」


冷たく言うと、ゼロはリュリュカに覆い被さるようにして崩れ落ちる


「イヤっ!」


リュリュカは必死に抵抗するがゼロの身体はビクともしない


と、言うか、本当に何もしてこない


「……魔王、もしかして寝てるの?」


リュリュカの耳には規則正しい寝息が伝わってきた


「た、助かったぁ」


ほっとするのもつかの間、寝ているはずのゼロの腕がリュリュカを抱きしめて離そうとはしない


「どうしよう。このままじゃ逃げられないよ」


首だけ動かして周りを見渡すが、暗くて何も見えない




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