秘密な彼氏
「――もしもし…?」

特に相手を確認することなく、電話に出たのが悪かった。

「あやめ?」

その声に、私は飛び起きた。

ついでに言うなら、眠気も一気にふっ飛びました。

だって声の主は、
「――ママ…?」

海外にいるはずの両親からだったのだ。

「久しぶり、元気にしてる?」

「う、うん…。

元気に、してるよ…?」

電話でよかったと、私は思った。

顔を見られたら、私が動揺していることがバレていただろう。
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