幻想館-眠り姫編-
部屋の中は、白い丸いテーブルとお揃いの椅子。


その脇に見慣れない物が置いてある。

とても殺風景な感じがした。



「どうぞ、座って下さい。今、紅茶を入れますから」



そう言うと奥へ行ってしまった。



私は椅子に腰掛けた


でも・・・何だかおかしい・・・!


私・・・死んだんだから・・・・


じゃあ、此処は死人の国とか・・・



・・・まさかね



「お待たせして申し訳ありません。
温かいうちにどうぞ」



私は勧められたまま紅茶を口にした。



「!!・・・美味しい・・・」



何だろう?

とてもいい香り。



「あの・・・これってハーブティーですか?」


「ほんの少し、珍しいハーブを混ぜ合わせました。
お気に召したようですね」



彼(?)は、にっこりと笑みを見せていた。



不思議な人!


「あなたは館長さんでいいのかしら・・・」

「ええ、そうです。
よければ、昔話でも見ませんか?」


「昔話?」


唐突な言葉に驚いた


「お急ぎでなければ、ぜひ、あなたに見て頂きたい物語があります」



「私に・・・?」



そうね・・・私は死んだんだから時間はたっぷりあるわ。


そう思った時突然、館長さんの青い瞳が光った。



「あなたは死に対して、怖さを感じないのですか?」
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