バスケより一番に



「さっ、行きましょう」


「うっ、うん…」


ヤバイ本当に抜けないよ。
どうすれば…



「早く水沢先輩」


「分かってるって。
分かってるけど……」


「けど?」



「……はまって抜けないの…」



そう言った途端霧谷君が大きな声で笑った。


「ハハハッ!!
水沢先輩…プッ、ハハハ!!」


「そんな笑わないでよ!!」



「ハハ!!すいません、つい…
……それで、助けてほしいんですか?」


「うん…」


すると霧谷君は少しニヤッと笑いながら

「えぇーどうしよっかな~」


「お願い!!」


「じゃあ一つ願い事してもいいですか?」


「うっ、うん…」

助けてもらうためだからね…



「今日一日俺の事優真って呼んで下さい」


「え…?」


「いいですね?」


「わっ、わかったから早く助けて!!」


とにかくここから早く出たい私はその願いを受け入れる事にした。


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