Foolish boyfriend~5年前の約束~
決めるなら、今日。
だって、明日は終業式だもん。
2学期が、明日で終わっちゃう。
みんなに会えるのも、明日が最後かもしれない。
「あたしさ、達哉は絶対に引き留めてくれると思ってたの。だから、余計に迷っちゃって…」
どうしてほしい?なんて、答えが何となく分かっていたから言ったようなもの。ズルい質問だよね。
でも、答えが予想と違ったから…
「あの達哉がなー……」
そう、あの達哉が、なんだよ。
「まぁ、達哉も広田もまだ高校生だしさ。引き留めたところで、どうすればいいかなんて、分かんねぇだろ。……って、達哉も思ってんじゃねぇの?」
高校生、か……
確かに、あたしは独り暮らしする自信なんてない。現実は、そう甘くない。
達哉はそれを考えて、あんなこと言ったのかな。
「俺らみたいな高校生は、大人から見たらまだまだガキなんだよ」
向井君はそう言うと、窓のわくに肘をついて外を眺めた。
何だろう、悲しそうだな…
「そう、だよね……」
同じように外を眺めてみると、それはもう、憎たらしいほどに真っ青な空が、そこにはあった。
「大丈夫だって、広田と達哉なら。離れたって変わんないよ。俺が保証する!」